下駄の歴史
下駄のルーツ   日本における下駄の出現
古代から中世   江戸時代
−服飾としての下駄−
明治から大正
−庶民のはきものへ−
  昭和初期から現在
松永下駄の製造工程    
 よく知られているように、弥生時代の登呂遺跡などからは、稲作に用いられた田下駄が大量に出土している。しかし、これは歩行に用いられたものではなく、農具の一つであり、田下駄から歩行用の下駄が生まれたとは考えにくい。
歩行用の下駄では、現在、最も古いといえるのは古墳時代の遺跡から出土したものである。これには二種類あり、一つは古墳の副葬品とされていた石製ミニチュア下駄(写真4)、一つは実用された木製の下駄である。
 石製ミニチュア下駄は7つの古墳から9足出土している。台の長さは9センチから12センチ内外、大きいもので17センチ位である。形は不定形で左右の違いがあり、歯が"ハ"の字形に開くのが特徴である。木製実用品は5世紀になると出土するようになり、特徴はほぼ石製ミニチュアと同じであるが、台の長さが25センチから28センチと大型となる。このことから、下駄は泥湿地などで足を汚さないために履かれたであろうと考えられている。また、古墳に副葬されていることは、何をするためかは不明でも、豪族などに必要とされたものであろうと推定することができる。

(写真4)
京都府鏡山古墳出土の石製ミニチュア下駄(模造)
(写真5)
「古墳時代から奈良時代の下駄」
古墳時代から奈良時代の下駄。滋賀県斗西遺跡出土。能登川町埋蔵文化財センター所蔵。

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